排卵誘発剤


 ◆クエン酸クロミフェン(クロミッド)

   排卵誘発率70〜80%。これ単独ではなく、他の薬剤と組み合わせて使うと有効的。
   双子を妊娠する確率6%。

 主な作用

 下垂体に働いて性腺刺激ホルモンであるゴナドトロピンの分泌を促進して排卵を誘発するので、排卵障害による不妊症の治療に用いられます。

 副作用など

 卵巣の過剰刺激により下腹部痛がおこることがあります。また、発疹などの過敏症状、頭痛、顔面紅潮、眼がかすむ、精神不安、尿量増加などがおこることがあります。

 用い方と注意

 まず子宮性無月経でないなど、この薬が適するかどうかを確かめてから使用されます。段階的に服用を増していくので、医師の指導を守って服用しましょう。
 生理周期5日目から、5日間、1日に1錠ずつから始まることが多いです。

 ◆シクロフェニル(セキソビット)

   クロミッドよりも作用が緩やか。未婚の女性の治療にも用います。
   双子を妊娠する確率6%。

 主な作用

 脳の視床下部という部位から分泌されたホルモンが脳下垂体を刺激し、それによって分泌されたホルモンが 卵巣を刺激して卵巣ホルモンが分泌され、排卵が起こります。つまり、排卵障害には、脳に原因がある場合と、卵巣に 原因がある場合が考えられます。この薬は、脳の中枢に作用して、卵巣を刺激するホルモンの分泌をたかめ、排卵を誘発するものです。

 副作用など

 卵巣に対する刺激が過剰だと、下腹部痛、不正出血がおこります。発疹などの過敏症状、吐き気、食欲不振などがおこることがあります。

 用い方と注意

 5〜10日間続け、症状に応じてさらにこれを反覆します。定められた時間に服用することが必要です。また、卵巣を刺激しすぎると、 多胎妊娠の可能性があるので、医師の慎重な指導のもとで服用します。


 ◆メチル酸ブロモクリプチン

 主な作用

 乳汁はプロラクチンというホルモンが乳腺細胞を刺激して作られるのですが、この薬は、プロラクチンが下垂体kら分泌されるのを 抑制して、乳汁の分泌を減少させます。また末端肥大症や、巨人症の患者に対しては、成長ホルモンの分泌を抑える作用があり、中枢神経に 働いて、パーキンソン症候群の症状を改善する作用があります。さらに排卵を誘発するので、排卵障害による不妊症に用いられます。

 副作用など

 発疹、まれにショックなどの過敏症状、吐き気、便秘、食欲不振、めまい、立ちくらみ、血圧低下、顔のほてり、鼻づまりなど、まれにけいれんや心臓発作などの 循環障害があります。まれに妄想、意識障害、筋硬直、発熱などを伴う悪性症候群の報告があります。

 用い方と注意

 特殊な薬で、効果と副作用をよくみながら服用量を決め、治療がすすめられていきますので、医師の指導をきちんと守りましょう。食事の直後に服用します。 また、著しい血圧低下がおこることがあるので、危険な作業や車の運転には注意しましょう。マクロライ系の抗生物質と併用で作用が増強することがあります。

 

黄体ホルモン剤


 ◆ジドロゲステロン(デュファストン)

 主な作用

 天然の黄体ホルモンと同じ作用を示します。黄体ホルモンは、排卵後の卵胞から分泌され、受精卵の着床後の 準備をする働きがあるので、妊娠の維持に必要です。この薬は、黄体ホルモンの作用があり、乳腺の発育を促進し、子宮の 筋肉を弛緩するので、妊娠を維持するために好ましい状態を作ります。黄体機能不全に基ずく不妊症、月経異常症、 子宮内膜症、切迫流産、習慣性早流産などに用いられます。

 副作用など

 発疹などの過剰症状、食欲不振、吐き気などがおこることがあります。

 用い方と注意

 計画性をもって服用すべき薬なので、医師の指示をよく守って服用しましょう。


 ◆酢酸クロルマジノン(ルトラール他)

 主な作用

 黄体ホルモンは、子宮粘膜に作用して卵の着床を促し、妊娠中は妊娠の維持に必要なホルモンです。 また、乳腺を発達させたり、子宮筋の緊張をゆるめる作用があるので、無月経、月経異常、月経困難症、機能性子宮出血、卵巣機能不全など に用いられます。前立腺肥大の場合に、前立腺を萎縮させ排尿障害などの症状を改善する効果もあります。

 副作用など

 発疹などの過剰症状、食欲不振、不正出血、乳房の腫れなどがおこることがあります。まれに血栓症があります。また、糖尿病を悪化させることがあります。

 用い方と注意

 計画性をもって服用すべき薬なので、医師の指示をよく守って服用しましょう。食後に服用します。

黄体ホルモンと卵胞ホルモンの配合剤

 ◆卵胞・黄体ホルモン(ロ・リンデオール他)

 主な作用

 これらの二種のホルモンは、女性ホルモンで、子宮出血、月経困難、月経周期異常などに用いられます。 また、生理日の変更や、卵巣機能に原因がある不妊症の知立尾にも用いられます。その他、排卵を抑制するので、このホルモンの組み合わせは、 避妊の目的(日本ではまだ正式に認可されていない)にも用いられます。

 副作用など

 不正出血、月経量の増加、乳房痛などがおこったり、吐き気、腹痛や発疹などの過敏症状が生じることがあります。また、長期服用を続けると、 まれに血栓症がおこることがあり、下肢の疼痛、むくみ、激しい頭痛、胸痛、急性の視力障害、突然の息切れなどは、血栓症の症状として知っておいてください。 妊娠初期にこの薬を用いると、異常時の率が高まるという調査報告もあります。とくに40歳以上の女性、喫煙量の多い35歳以上の婦人に特に目立つことが 注意されています。また、経口避妊薬と併用の場合、乳癌、子宮癌の可能性が高いことが指摘されています。

 用い方と注意

 服用量・服用期間など慎重な判断が必要な薬なので、医師の指導をきちんと守りましょう。

子宮内膜症の点鼻薬

 ◆酢酸ブセレリン(スプレキュア)

 主な作用

 下垂体の性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)の分泌を刺激するホルモン(GnRH)の誘導体で、この薬を反復して用いると、性腺刺激ホルモンと卵巣ホルモン の産生、分泌も減ってきます。この作用によって、異常な子宮内膜の症状を改善します。中枢性思春期早期発症にも用います。

 副作用など

 ときに顔のほてり、外陰部のかゆみ、膣乾燥、こしけ、不正出血、乳房の萎縮、声変わり、多毛、体重増加、むくみ、つかれ、はきけ、食欲不振、便通不順、 頭痛、めまい、性欲減退、うつ気分、ときに呼吸困難などの症状があらわれることがあります。

 用い方と注意

 一般的には1噴射を左右鼻腔に1日3〜6回しますが、用い方は医師の指導をよく守りましょう。使用する前に吸収をよくするために鼻をかむとよいでしょう。


男性ホルモン剤

 ◆メチルテストステロン

 主な作用

 男性ホルモンは、男性の性器系を発育させ、男性の二次性徴を発達させる作用があるので、男性性腺機能不全や精子形成機能の低下による、男性不妊症に用いられます。

 副作用など

 過敏症状、吐き気、食欲不振などがおこることがあります。前立腺肥大の人では、悪化させることがあります。

 用い方と注意

 症状をみて服用量などが慎重に検討される特殊な薬です。医師とよく相談しながら服用しましょう。